⚡ LAGLESS PORTAL📈 今日のグロース研究2026-10-15 (木)バックナンバー
📈 今日のグロース研究

広告費$0で2ヶ月、月の売上$9,500。それでもいちばん読まれたのは「$5使って訪問ゼロ」の記録でした

きょうの結論

数字が小さくても、過程が検証できる人が読まれています。何をいつやって、いくら使って、どう数えて、その数え方のどこが怪しいかまで書いてあるかどうかです。

TOPIC 1

広告ゼロで2ヶ月。やった順番がはっきりしています

① 製品より先に「問題」を書く 自分が詰まった経験そのものを記事に ② 実務の手引きを、ただ配る 自社は「選択肢の1つ」と明記する ③ 返信が来たら、1人ずつ会う 地域を1つずつ潰すので相手は常に少数 ④ 他人の製品の中に、棚を作る 代理店やサイト制作側が客を載せると分配が入る
自分で営業する代わりに、すでに客を持っている人のメニューに入る。順番が全部ひっくり返っている。
9,500ドルいまの月の売上(MRR)
2ヶ月ローンチからここまでの期間
400人超申し込んだ創業者の数

決済の面倒ごとを引き受けるAgentaOSを作ったのは、決済領域に20年いたエンジニアの1人チームです。本人の言葉は「広告にもSEOにも有料マーケにも$0しか使っていない。すべてコンテンツと会話だった」。

従業員はゼロ。サポートも運用もコードの多くもAIに回し、判断だけを自分が持っています。「全員に個別で会う」と「従業員ゼロ」が両立しているのは、この構造があるからです。

MRR = 毎月くりかえし入ってくる売上。/ローンチ = 世の中に公開すること。
TOPIC 2

最初に書いたのは「自社が唯一解ではない」という記事でした

よくある型 うちの製品はすごい 読み手に用がない 共有されない 彼が書いた型 この問題の全体地図 うちはその選択肢の1つ 同じ痛みの人が広める 自発的に拡散する 日本のSaaS記事は「自社礼賛」か「完全な一般論」の二極。その中間はまだ空いている
遠回りに見えるが、同じ痛みを持つ人が読めば、その記事は勝手に共有される。

彼が配った手引きの中で、自社は「解決策の一つであって、唯一解ではない」と明示されています。原文は "one of the solutions, not the only one"。

課金の設計も面白いところです。売上のパーセンテージ+月額なので、客の値付けが上がれば自社の売上も上がる。だから後から「AI価格レビュー」を足しました。施策ではなく、インセンティブの側にグロースが埋まっている状態です。

チャネル別の内訳、申込から課金への転換率、解約率、最初の50人の出どころは記事に書かれていません。そこは不明です。

TOPIC 3

$5使って訪問ゼロ。しかも自分のテストを客として数えていました

本当に来た人 6 自分のテスト 2 Cookieバナーで落ちる シークレット窓はすり抜ける GA4 の数え方 記録 1 しか数えない (6倍の取りこぼし) 記録 2 を客として 数えてしまう = 判断材料として、まったく使えない
ほぼ誰も来ていないのに自分のテストだけが客に化け、本当に来た数人は消える。

フリーランス向けの管理ツールを夜に作っている開発者が、ソフトウェアディレクトリ6つに掲載した結果を公開しました。使った額は$5、サイト全体で8セッション、登録0。ディレクトリ経由の2セッションはどちらも本人のテストクリックでした。

媒体ごとの挙動も記録されています。G2は即日承認だが無料枠に外部リンクが付かず、転載先のCapterraはAIが書いた説明文に1週間で戻る。UTM付きリンクがそのまま残ったのはSaaSHubだけでした。

UTM = リンクの末尾に付ける「どこから来たか」の印。/セッション = 1人が1回サイトを見た、のまとまり。
TOPIC 4

いちばん価値があったのは、データを見る前に撤退基準を書いていたこと

既定は「払わない」 動かす条件を先に書く 無料枠が「月5実訪問」または「登録1件」を出したか? 数えるのはサーバーログ。ボットは除外する いいえ はい 無料枠のまま放置 信頼のしるしとしてだけ使う 1ヶ月だけ有料を試す 上限$30 / 合格ラインは登録3件 判断する日も、先に決めておく(彼の場合は10月20日)
やってから「まあ悪くなかった気がする」と続けてしまうのが、いちばんお金と時間を溶かす。

彼はデータを1ヶ月分見る前に、判断ルールを書いていました。これはディレクトリ掲載の話に見えて、実際はあらゆるチャネル検証の作法です。

国内のSaaSディレクトリ(ITreview、BOXILなど)について、掲載の費用対効果を実数で公開している個人はほぼ見当たりません。ここは丸ごと空白です。

再現難易度は★☆☆☆☆。技術的には誰でも明日できて、やる人がいないだけ、という意味で今日いちばん価値の高い記録です。

TOPIC 5

デモ動画は1週間で腐る。だからデモをテストにしました

コードを直す 緑になったら テストが通る そのまま公開 デモが自動で 貼り替わる 落ちたら Slackとメールに通知が飛ぶ = デモ動画が、営業の道具と見張り番の両方になる
プロダクトが動いている限りデモは最新。壊れたら通知が来る。一つの成果物を二重に使っている。

デモ動画は作った瞬間から腐ります。UIが変わり、ボタンの位置がずれる。でも更新コストは誰の目標にも乗らないので放置されます。

Specreelはその更新をテストの成功イベントに紐付けました。しかも自社サイト自体を、自社のテスト実行から生成した12フローのライブギャラリーにしています。

E2Eテスト = 人が実際に操作する順番どおりに、機械が画面を触って確かめる試験。
TOPIC 6

1枚目のスクショは「どう見えるか」ではなく「何をするか」

よくある1枚目 ログイン 空のダッシュボード = どう見えるかを示している 置き換えた1枚目 +42% 今月の登録(サンプルデータ) 使い終わった状態=結果 = 何をするかを示している
判定は2秒テスト。サムネイルの大きさに縮めて2秒だけ見せ、何のアプリか言えるか。

多くのプロダクトの1枚目が、ログイン画面・空のダッシュボード・設定画面になっています。集まった答えは一つに収束しました。「どう見えるか」ではなく「何をするか=結果」を見せろ。

細かいけれど効く指摘もありました。アニメーションの途中でキャプチャすると「読み込み中」が写るので、reduced motionを有効にしてから撮ること。合成データを使い「サンプルデータ」と明記すること。

レビュー依頼は起動時ではなく最初の成功イベントの直後に出す。ただしストアの規約上、レビューへのインセンティブ付与はできません。タイミングの話だけです。

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