💡 今日の事業アイデア
利益率71%・年成長400%の社員表彰SaaS。日本でそのまま真似すると、もらった社員全員に税金がかかる
きょうの結論
このサービスの売りは「好きなギフトを選べること」。ところが日本では、それをやると全額が給与として課税される。だから日本版の売り物は、ギフトそのものではなく「税金で事故らない渡し方を、その場で示すこと」になる。
TOPIC 1
まず、見つけた会社の数字を見てください
売上の7割がそのまま利益として残る。しかもチームは20名以下。
71.1%直近12ヶ月の利益率
400%年成長率
0〜1%解約率(減少傾向)
カナダ発の従業員表彰SaaSです。M&Aサイトの Acquire.com に出ていた案件で、掲載ページには「80名の買い手が交渉中」と書かれていました。誰の目にも優良案件です。
でも今日のポイントは利益率ではありません。この会社の中核機能が、日本の税制ではそのまま使えないという一点です。
従業員表彰SaaS = 勤続◯年や社内表彰の「誰を・いつ・いくらで祝うか」を人事データから自動で組み立てて、ギフトを配るところまで片づけるソフト。
TOPIC 2
日本では「選べるギフト」が、いちばん危ない渡し方です
国税庁のタックスアンサー No.2591 と質疑応答事例が、この線引きをはっきり書いている。
北米では「自由に選べること」が喜ばれる機能です。日本では同じ機能が、人事担当者にとって悪夢になります。祝ったはずの社員の手取りが減り、年末調整の計算も変わるからです。
そして非課税で通る条件は、覚えられるくらい単純です。おおむね勤続10年以上・前回の表彰からおおむね5年以上・社会通念上妥当な金額・現物。この4つだけ。
TOPIC 3
制度は8割の会社にある。でも運用がねじれている
新しい需要を作るのではなく、すでにやっていて間違っている作業を直す。
新しい習慣を広めるのは大変ですが、8割の会社がすでにやっていて、やり方が間違っている領域なら、需要の説明はいりません。
TOPIC 4
国内勢は「称賛」か「ギフト」のどちらか片側だけ
片側ずつは強い会社がある。5つを一体で持つ製品が、Web上では見つからなかった。
QUOカードやカタログギフト各社は副賞の供給元なので、そもそも商品券=全額課税の側です。Unipos・TUNAG・インセンティブ・ポイントの料金はいずれも問い合わせ制で、公開されていません。
TOPIC 5
判定はAIに書かせない。ここが利益率の分かれ目
版を残せば、通達の運用が変わっても「当時の判定」を再現して説明できる。これが大企業案件の決め手になる。
ルールテーブル = 条件と答えを表にして持っておく方式。AIに考えさせるのではなく、表を引くだけなので、答えが毎回同じになる。
TOPIC 6
利益率70%が成立するのは、3つを持たないと決めたから
元サービスの71.1%とほぼ同じ構造に着地する。理由は設計であって、運の良さではない。
成立の条件は3つです。判定にLLMを使わない/ギフトの在庫と配送を持たない/単価が高いので社数が少なく、サポート総量が小さい。
ギフト代は売上に入れず、実費で請求して手数料10%だけ乗せます。流通総額を売上に計上した瞬間、71%という構造は再現できなくなります。
料金はスターター29,800円/スタンダード79,800円/エンタープライズ198,000円〜(いずれも月額・税抜・年間契約)。中心はスタンダードで7割を見込みます。
TOPIC 7
売り方: 広告は効かない。効くのは3本だけ
狙う時期も絞る。10〜12月の予算編成期と、4月の期初。それ以外の月は種まきと割り切る。
最初の3週間は製品を作りません。3社に1社15万円の有償で運用代行を提案し、Excelとカタログ手配だけで人間が全部やります。検証したい問いはひとつ、「非課税で通る形に変えたい」が実際にお金を払う理由になるか。ここで45万円が入れば、それが開発資金になります。