米国のアプリは「カードの決済手数料をお客さんに払ってもらう」仕組みだけで2万3,000店に広がりました。日本ではこれが加盟店規約で禁止です。だから日本で売れるのは、自分の店が本当は何%取られているのかを毎月1枚にする側です。
使っている道具は Clover という決済端末のプラットフォームだけです。自前のサーバーも機械学習もありません。集客はアプリストアの検索にまかせ、設定はお店の人が自分で終わらせます。これが利益率73%の正体です。
そして同時に、ここが唯一の弱点でもあります。Clover が方針を変えたら翌月に終わります。売り希望額は利益の9.7倍で、この連載で毎日見ている3〜5倍よりはっきり高い水準でした。
法律違反ではなく規約違反ですが、見つかれば加盟店契約を切られます。「現金なら安くします」という二重価格も、景品表示法の論点に触れます。元のアプリをそのまま日本語にすると、お客さんを規約違反に加担させる道具になってしまいます。
ふつうならここで終わりです。でも裏返すと、日本の飲食店は営業利益率が数%の世界で、そこに3.24〜3.74%が毎月かかります。月商1,000万円なら月32万〜37万円です。
入金は、売上から手数料を引かれた純額で振り込まれます。内訳は決済会社ごとの管理画面にばらばらに置かれていて、しかも料率表は「3.24%」では終わりません。端末レンタル料・月額最低手数料・振込手数料を売上で割り振って、はじめて実際の数字が出ます。
日本でだけ必要になる作り込みが、各社の明細フォーマットを正規化する地道な作業です。ここが最大の面倒であると同時に、海外製がそのまま入ってこられない壁にもなります。
プランは3段。1店舗・決済1社の Light が月2,980円、全社対応と乖離検知の Standard が月7,800円、10店舗までの本部プランが月29,800円です。構成比を55%・33%・12%と置くと、1顧客あたりの平均月額は7,789円になります。
24か月で1,400店なら月商1,090万円。元サービスの約61%です。日本には Clover のアプリ棚にあたる無料の流通路が無いので、100%に届く前提は置きませんでした。目標の営業利益率も50〜55%です。
最初の3週間はコードを書きません。飲食・小売のオーナー15人に直近3か月の入金明細を見せてもらい、手作業で実効料率を出して「契約は3.24%ですが実際は4.1%です」を金額で見せ、3万円の単発診断として払う人が何%いるかを測ります。ここで払わないなら作りません。
弱点も正直に。料率は最後は交渉で決まるので「見つけたが下がらなかった」が続けば解約されます。だから約束するのは「下がること」ではなく「取られ過ぎを見つけること」で、それは単価の天井を低くします。回避できないトレードオフです。
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