⚡ LAGLESS PORTAL💡 今日の事業アイデア2026-09-23 (水)バックナンバー
💡 今日の事業アイデア

利益率66%・週3〜5時間で年商約1億円。研究者の「図を作る半日」を、日本の科研費市場で買い取る

きょうの結論

売っているのは絵ではなく「構図を考える時間」です。日本には科研費のポンチ絵という、海外のAI作図ツールが手をつけていない締切があります。

TOPIC 1

従業員ゼロ、週3〜5時間。それで前年比プラス120%で伸びている

直近12か月(TTM)の売上の行き先 売上 $709.1K(約1億400万円) 利益 $467.5K(約6,900万円) 経費 34% 従業員は0名。創業者2人の稼働は、2026年2月以降ずっと週3〜5時間です。 集客はInstagramのリール1日1本だけ。9万人のメールリストには一度も送っていません。 手をかけていないのに伸びている=人の労働ではなく仕組みで回っている証拠
英国発、2025年5月創業。研究者向けにAIで科学イラストを組み立てるSaaSです。
66%直近1年の利益率
1.04億円直近12か月の売上
231%年成長率(8月単月は+120%)

いま Acquire.com に $2.2M(約3.2億円・利益の4.7倍)の希望価格で売りに出ています。売り手は「子どもが生まれて海外移住するから」と書いています。

TTM = 直近12か月を合計した数字。決算期をまたいでも「いまの実力」が見えます。
TOPIC 2

絶対王者がいる市場で、後発が勝てた理由は「三角形の真ん中」

研究者が図を作る3つの方法と、そこで失っているもの BioRender(月$39〜59) 高い 機関ライセンスのない院生は払えない Illustratorで自作する 難しい 構図を考えて並べる時間が消える 人の手で外注する 遅い 初稿まで5営業日・単価は数万円 空いていたのは真ん中。AIが構図まで決めて、月$8.99から まだ誰もやっていない場所より、混雑した市場の中の隙間のほうが確実
後発の一行の説明は「これはこのカテゴリで初めてのAIファースト製品だ」でした。

この分野には BioRender という絶対王者がいます。素材は最高品質ですが、並べるのはユーザー自身です。研究者が奪われていた時間は、素材探しではなく構図を考える時間でした。

後発はそこを丸ごと引き取り、しかも価格を約1/4に置きました。「いいのは知っているが自腹では払えない」層が、そのまま流れ込んだわけです。

TOPIC 3

日本には「科研費のポンチ絵」という、制度が作った締切がある

科研費の審査員が置かれている条件 70〜150件 審査員1人が読む申請書の数 10〜14日 その全部を読み切る期間 1件に割ける時間は、どう計算しても短い だから「1枚で構造が伝わる図」の価値が、制度的に跳ね上がる いま多くの研究者は、これをPowerPointで半日かけて手作りしています。
科研費の新規応募は例年10万件規模。秋になると全国の研究室で同じ作業が繰り返されます。

英語圏のツールは日本語を入れた瞬間に崩れます。禁則が効かず、約物の詰めがおかしく、縦書きもできません。和文誌・学会抄録・講義資料・そして申請書は、全部日本語です。

ポンチ絵 = 研究の全体像を1枚で見せる概要図。科研費の申請書に添えるのが半ば常識になっています。
TOPIC 4

いちばん大事な設計判断は「AIに絵を描かせない」こと

同じ「AIで図を作る」でも、中身は正反対 ✕ 画像生成AIに描かせる ・日本語の文字がほぼ確実に壊れる ・形が「それっぽいけど違う」になる ・1枚あたりの原価が跳ね上がる 学術に「だいたい合っている」は無い ○ 番号と座標だけ出させる ・文字はSVGのテキストなので正確 ・検証済みのアイコンしか出てこない ・1枚あたりの原価は数円のオーダー 品質・正確性・原価が同時に解ける この一点の設計判断が、そのまま粗利85%になって返ってくる
描画は自社のベクター素材で行い、AIには「どれをどこに置くか」だけを言わせます。
SVG = 拡大しても粗くならない図形データ。あとから1要素ずつ動かしたり、ラベルを打ち替えたりできます。
TOPIC 5

日本版の数字:12か月目でMRR約163万円、営業利益率70%

12か月目のMRR 約163万円の中身(日本版の試算) 売上 1,627,600円 粗利 1,383,000円(85.0%) 原価15% 営業利益 1,143,000円(70.2%) 広告費・ツール類 料金は フリー¥0 / スタンダード¥1,480 / ラボ5席¥7,800(いずれも月額)。 ¥1,480はBioRenderのおよそ1/4、¥7,800は科研費の物品費で通る金額です。 原価が低いのは「AIに絵を描かせない」設計のおかげ
日本側の料金・MRR・原価はすべて推定値です。運営者本人の人件費は含んでいません。

季節性は強く出ます。9〜11月の科研費申請期と2〜3月の学会・年度末に集中し、5〜7月は鈍ります。解約率は月6%想定なので、年払いへの誘導が生命線です。

MRR = 毎月くり返し入ってくる売上。積み上がる代わりに、解約でそのまま減ります。
TOPIC 6

堀になるのは「日本語対応」ではなく「制度対応」

海外勢が投資判断しにくい、日本の「面倒くささ」6点 科研費ポンチ絵の 定型テンプレート 日本語の組版 (禁則・約物・縦書き) 研究室で共有する アイコンライブラリ インボイス発行と 年度末の一括払い 入力を学習に 使わないことの明示 生成ログ=論文での AI利用開示に使える 「日本語対応」は翻訳で1週間。「制度対応」は真似に何年もかかる 資本力で劣る側が、面倒くささを味方につけるということ
大学の事務処理はカード決済だけでは通りません。ここを無視すると機関契約は1件も取れません。

今日からできる一歩は、知り合いの研究者に一人だけ聞くことです。「この前、論文や申請書の図を作るのに何時間かかりましたか」。答えが「半日」なら、そこに市場があります。

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