⚡ LAGLESS PORTAL🔭 アメリカ最前線 ②2026-10-07 (水)バックナンバー
🔭 アメリカ最前線 ②

着工から23か月で建った発電所。世界3位の地熱資源を持つ国に、建てる事業者がいない

きょうの結論

今日の3つは業種がばらばらなのに、同じ形をしていた。資源も技術も需要も日本にあるのに、それを事業として回す人がいない、という形だ。もう「市場があるか」を調べる段階ではなく、「誰が最初にやるか」の段階に入っている。

TOPIC 1

地熱が「探す商売」から「掘る商売」に変わった

これまでの地熱 強化地熱(EGS) 熱水だまり 空振り 掘削費はまるごと損 当たり 水を入れる 熱くなって戻る 高温の岩体 当たり外れは計算できない 掘るコストは計算できる
探すリスクを掘るコストに置き換えた。この違いが投資判断を一変させた。
23か月世界初の商用EGS発電所が建つまで
世界3位日本の地熱資源量(約2,347万kW)
2〜3%そのうち実際に使えている割合

発電所といえば十年単位の話だった。日本の地熱は調査から運転開始まで通常10〜14年かかると言われてきた。その常識が2年という数字でひっくり返された。掘削技術はシェールオイル開発で磨かれたものを転用できる。

EGS(強化地熱) = 地下の熱水を探すのではなく、熱い岩に自分で水を送り込んで熱を回収する方式。
TOPIC 2

日本で進まなかった理由は、地質ではなく制度と工期だった

地表 温泉の帯水層 地元の生活そのものなので、枯れる心配は譲れない もっと深い高温の岩体 従来型の井戸 同じ層を取り合う EGSの井戸 温泉の層は素通りする 反対の理由そのものを、技術の設計で外せる可能性がある
地熱資源の約8割が国立公園・国定公園の内側。温泉事業者との調整は避けて通れない。

追い風もある。2024年以降のデータセンター新設ラッシュで、24時間安定して出せる電源の引き合いが強い。太陽光や風力では応えられない需要だ。FIP制度でも地熱は買取期間15年で比較的高い水準が維持されている。

TOPIC 3

部品では世界を取っているのに、自国では建てない

日本が持っているもの 地熱タービン 三菱重工・富士電機・東芝が世界上位 掘削の技術を持つ会社 石油・温泉で培った 事業として回す人 = 不在 海外の発電所 部品を買って、建つ 国内の発電所 建たない 輸出する 同じ構図はスマートグラスにもある。光学部品は日本が先行、OSとアプリの層に事業者がいない
推定市場は約1,500億円。資源と技術と需要が揃っていて、事業者だけがいない領域は多くない。

同じ日に核融合のType One Energyが約300億円を調達し、2034年の商用プラント接続を掲げている。技術者コミュニティ側の関心も立ち上がっている。

TOPIC 4

2年に一度かならず来るお客を、電話が取れずに逃がしている

2年に一度 かならず来る 案内はハガキ と電話のまま 電話を取る 人がいない 予約を取り逃がす 年 約2,900万台の車検 失注件数 × 平均車検単価 = 提案金額 米国では、会話でここを全部やるAIが月5万件の予約を取っている 売上は1年で20倍、調達は約40億円
いつ声をかけるべきかが制度で決まっている。予測モデルを作る必要すらない。

新車販売拠点は約1.4〜1.5万、整備事業場は約9.1万ある。国内のベンダーは業務記録と会計を押さえているが、反響対応と予約獲得を代わりにやる層は空白のまま。日本の自動車DXは「見える化」で止まっていて、「代わりに電話を取る」ところまで来ていない。

TOPIC 5

法律が「速く消せ」と命じたのに、速く消せる道具がない

法律が命じていること 現場にあるもの ・申出の窓口を整える ・調査の体制を確保する ・申出者へ原則14日以内に通知 ・削除の基準と運用を公表する ・人力のモデレーション委託 ・繁忙期は処理が滞留する ・担当者によって判定がぶれる ・その滞留とぶれが法令リスクに 1.7Bの「判定だけをする」小型モデルが、重みごと公開された 日本語で学習し直せる安さ/社内のサーバーで動かせる 制度が先にできて、事業が来ていない。日本に典型的な空白
通報された投稿には個人情報が含まれる。海外のAPIに送ることをためらう事業者は少なくない。

同じ日、文書作成ソフトのLibreOfficeは「標準の構成にAI機能を当面入れない」と表明した。AI搭載が差別化だった局面から、1年で「どこまで載せないか」の競争に反転している。自治体や学校の調達仕様書に、この一行がどう書かれるかはこれから必ず論点になる。

オープンウェイト = モデルの中身(重み)が公開されていて、自分の手元で動かしたり、追加で学習させたりできる状態。

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