🔭 アメリカ最前線 ②
アメリカ6.7兆円、日本900億円。制度は日本が先にあるのに、誰も配管をつないでいない3つの裏方
きょうの結論
今日の3つは全部、派手さとは無縁の裏方だった。共通するのはアメリカではもう産業なのに、日本では「誰の仕事でもない」まま放置されていること。しかも制度も需要も、日本側にはすでに揃っている。
TOPIC 1
AIの詰まりは、計算能力でも資金でもなく電線だった
学習ジョブやバッチ処理は数分遅れても誰も困らない。この弾力性を電力会社に差し出すのが交換条件。
100GW既存の送電網から探そうとしている容量
4割弱日本の総発電設備容量に対する比率
4〜5年米国の系統接続の待ち行列
系統(けいとう) = 発電所から家庭や工場まで電気を運ぶ、送電線と変電所のネットワーク全体のこと。
TOPIC 2
日本は制度で負けていない。使い切るソフトが無いだけ
典型的な「配管はあるのに蛇口がない」状態。制度という配管を、日本は先に敷いてしまっていた。
東京電力管内・関西電力管内では特別高圧の受電枠がすでに逼迫していて、「土地は見つけたが電気が引けない」は国内でも日常的な会話になりつつあります。アメリカが今から作ろうとしている契約の形は、日本ではもう制度として存在します。
TOPIC 3
投資の重心が「作る層」から「見張る層」へ動いた
同じ日のY Combinatorの企業一覧にも、評価・音声監視・自己修復・隔離サンドボックスが並んでいた。
TOPIC 4
日本でいちばん売りやすいSaaSが、空白のまま残っている
2026年5月のガイドライン改訂で、高リスク用途のログ保存が明文化された。追い風はすでに吹いている。
J-SOX = 上場企業に義務づけられた内部統制報告制度。「業務が正しく回っている証拠」を残して報告する決まりのこと。
技術的な難易度そのものは中程度(★3)です。勝負を決めるのは、監査法人や内部監査部門と組んでプロダクトを作れるかどうかの一点に尽きます。
TOPIC 5
物置が時価総額数兆円の産業になっている国と、50分の1の国
育たなかった理由は3つ。法規制の煩雑さ、運用ソフトの不在、そして「預ける」ことへの心理的抵抗に向き合ってこなかったこと。
TOPIC 6
2026年は、この事業の「仕入れ」が史上いちばん安い
推定TAMは3,000億円。いまの900億円が、アメリカ並み普及率の3分の1まで伸びると置いた中期の到達点。
3つの領域を並べて残るのは、「日本のほうが条件は整っているのに、なぜか空白になっている」という形です。アメリカで流行っているものをそのまま持ち込むより、こちらのほうが勝率は高いはずです。
今日すぐできる確認をひとつ。自宅から半径5km以内のトランクルームを3施設だけ見て、料金表と、Web上に空室と価格がリアルタイムで出ているかを記録してみる。運用ソフトが存在していないことが、数字で裏づけられます。