アメリカ最前線 ②
AIの勝負どころが「賢さ」から「詳しさ」に移りました
きょうの結論
どのAIが賢いかで差がつかなくなった今、勝つのは「その業界の面倒な手順を、誰よりも細かく知っている」側です。日本の面倒さは、そこでは堀になります。
TOPIC 1
今日並んだのは、大型調達ではなく小口ばかりでした
警察官むけ、保険ブローカーむけ、卸売の見積、ホテル運営、犬の給餌ボウル。どれも現場の痛みから逆算されています。
TOPIC 2
映像アーカイブは、探せて初めて資産になります
370億円AI動画検索の会社の評価額
22億円創業3年での年間経常収益
800億円日本市場の推定規模
テラバイト級の映像から「あの発言」を一言で引き当てられるようにする会社です。調達前にすでに黒字。同じ週には、13万番組以上のポッドキャストを解析して引ける状態にした会社も出ています。
出演者・音楽・原盤と、確認すべき権利者が何層にも重なる。その面倒さごと作り込んだ側が強くなります。
TOPIC 3
公共部門が、AIを「買う側」に回りました
これまで進まなかった理由は技術ではなく「データがどこにあるか誰も分からない」でした。その前提が変わりました。
警察官むけの縦型AIが9億円を調達しています。各本部ごとに違う条例と内規を覚えさせることで、「一般論として正しい答え」ではなく「この署のこの手続きで正しい答え」を返せるようにしたものです。
日本の公共調達は「実績要件」が強く効きます。裏を返せば、最初に1本でも導入自治体を作った側が、その後の横展開で圧倒的に有利になるということです。難易度は5段階中4、それでも推定市場は1,200億円と見ています。
縦型AI = ひとつの業界の手順だけに絞って作り込んだAI。広く浅くの反対。
TOPIC 4
犬の食器がセンサーになる日
境界線がはっきりしている領域は、むしろ設計しやすい。日本の住宅事情も味方します。
1.8兆円日本のペット関連市場
1,580万頭犬猫の飼育頭数(推計)
1割台ペット保険の加入率
頭数そのものは減っているのに、1頭あたりの支出は上がり続けています。数は減っても、かける金額は増える。高付加価値なプロダクトには理想的な追い風です。推定市場は600億円ほど。
TOPIC 5
同じバッチから3社。それは投資家からの信号です
各損保の専用端末に業務が縛られているため、横断的な仕組みがまだ育っていません。
他にも、企業間決済のステーブルコインが同じ回から3社、トレーディングカードの取引所を作る会社、AIの推論コストを半分にするプラグインなど。世界最大級のカード市場を持つ日本に、相場が見える取引所が無いという逆転も起きています。