⚡ LAGLESS PORTAL🗽 アメリカ最前線 ①2026-09-26 (土)バックナンバー
🗽 アメリカ最前線 ①

AI関連の訴訟が137%増・建設現場の29歳以下は10%。今日お金が集まったのは、地味な現場だった

きょうの結論

今日アメリカで資金が向かったのは派手なAIではなく、配管のボルトを締めるロボットとAIの事故だけを守る保険だった。地味で面倒な場所は、先に動いた人が長く優位を保てます。

TOPIC 1

配管のボルトを、遠くから4本まとめて締めるロボット

配管のつなぎ目 4本を同時に締める 遠隔操作 直径 5〜20cm に対応 現場の配管の8割がこの幅 業務用ケースに収まる ひとりで持ち運べる 売り方はレンタル 建機と同じ考え方 作ったのは元ExxonMobilのエンジニア。手作業のボルト締めは怪我が多く、12時間を超える反復は体を壊す。
「配管の80%が2〜8インチに収まる。これだけ反復性があれば自動化に理想的」という創業者の言葉が設計そのもの。
1兆323億円国内のプラント保守サービス市場(2023年度)
10%建設業で29歳以下が占める割合
137%AI関連訴訟の増加(2024→2025年)
フランジ = 配管どうしをボルトで留めるための、つばのような接合部分。ここを何本も締めるのが配管工の反復作業。
TOPIC 2

日本の現場は「人を増やせない」が確定している

建設業で働く人の年齢のかたより 29歳以下 約10% 65歳以上 いちばん多い層 平均年齢は約47.9歳(2021年推計)。2003年と比べて働く人は120万人以上減っている。 2024年4月から 残業の上限規制 少ない人・少ない時間で 同じ量の工事をこなす 装置に 投資するしかない 国内でも溶接ロボや検査ロボはあるが、「ボルト締めそのものを貸すロボット」はほぼ見当たらない。
人を増やす道が制度ごと閉じているので、置き換えの需要は「いつか」ではなく「今年」発生している。

1兆323億円のプラント保守市場には、配管の改修にともなうボルト締めが大量に含まれます。日本だけでも150億円規模のレンタル市場になりうる、というのが今日の見立てです。

TOPIC 3

1社の年商が、日本のノーコード市場ぜんぶと肩を並べた

年間の売上をならべると Lovable 1社 約900億円 日本のノーコード市場ぜんぶ 994億円 3か月前は約750億円だったので、四半期で150億円ぶん積み増している。会社の値段は約2兆円。 週100万件 新しく作られるアプリ 月10億回 作られたアプリの閲覧 2/3 フォーチュン500企業の利用率
創業から数年の1社が、日本の市場ぜんぶとほぼ同じ額を売っている。しかも伸び方の速さが違う。

日本のIT人材は2030年に最大79万人不足すると試算されています。ただ日本語のUI、インボイス対応、個人情報保護法への対応、決済導入の複雑さは、いまのところ空白地帯のままです。

TOPIC 4

AIがやった事故は、いまの保険では払われない

AIが自分の判断でやってしまうこと 契約の条項を 勝手に作る 患者データを 漏らす 採用や融資で 偏った判定をする 許可なく お金を動かす いまのサイバー保険・業務過誤保険 → 対象外にしている 大手(Berkshire・Chubb・Travelers)はAIを標準保険から外し始めている この隙間だけを引き受ける保険(Klaimee)
「保険が無い」のではなく「わざと外されている」。だから専用商品を作る余地が生まれている。

審査は3段階で、公開データの走査・30項目のガバナンス評価・100種類以上の挙動テストを24時間で終えるとしています。日本では金融庁の認可と保険業法の壁が高いので、大手損保とのMGA提携が現実的な入口になりそうです。

MGA = 保険会社の代わりに引受の判断までできる代理店。免許を自前で取らずに新しい保険を売り出せる仕組み。
TOPIC 5

投資は「AIを作る側」から「AIを支える側」へ移っている

表:AIエージェントそのもの ── ここは去年の主戦場 お金はこちらへ Snorkel AI 学習データと評価の土台 3.5億ドル調達・収益17倍 Dreamscale Labs ロボの頭脳をクラウドで 遅延と計算力の折り合い Memorable エージェントの記憶を整理 道具の呼び出しを60%削減 日本にはAI学習データに特化した大型プレイヤーが少なく、多くの会社が人手のタグ付けに頼っている。
単体のエージェントを作る時代から、それを支える裏側のレイヤーへ。今日いちばん強く出ていた流れ。

今日の3つに共通するのは、どれも「派手さはないけれど、規制や現場の複雑さゆえに参入障壁が高い」ことです。障壁の高さは裏返せば、先に動いた人が長く優位を保てる市場だということでもあります。

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