📈 今日のグロース研究
同じ製品で2回、3ヶ月あけてローンチ。月$10・コードは無料という「配るものと売るものの分け方」
きょうの結論
ローンチは一度きりの花火ではなく、機能の節目ごとに戻ってくる定点として設計できます。そして伸びている人は全員、「何を無料で配るか」を先に決めてから「何を売るか」を決めていました。順番が逆ではありません。
TOPIC 1
1回目で集めたフォロワーが、2回目の初動票になります
普通ならローンチは一度で打ち止めです。OpenSEOは同じ製品で3ヶ月後に戻り、1回目の資産を2回目の燃料にしました。
2回同じ製品でのProduct Huntローンチ
3ヶ月1回目から2回目までの間隔
10分の1競合の月$100以上に対する月$10
OpenSEOはAhrefsやSemrushのオープンソース代替を名乗るSEOツールです。新しいカテゴリは一切作らず、タグラインは「Semrushのオープンソース代替」の一行だけ。持ち込んだのは機能の新しさではなく、価格と所有権の差分でした。
Product Hunt = 新しいサービスを発表して、票を集める海外のサイト。日々の順位が付きます。
TOPIC 2
無料で配るものと、お金を取るものを分けています
SEOツールの最大の原価であるクローラとインデックスを自分では持たず、卸から買っています。だから個人がSemrushの隣に座れます。
入口はダッシュボードではありません。MCP経由でClaudeやCursorから呼ばれる設計です。しかも最近追加したのはAI可視性の分析機能。「AIに引用されるための分析を、AIから呼び出して使う」形になっています。
MCP = AIが外部の道具を呼び出すための共通の差込口。対応しておくと、AIに話すだけで自分のサービスが使われます。
TOPIC 3
型は変わらず、置く「棚」だけが変わります
2021年に「無料版をGitHubという棚に置く」とやったのと構造的に同じ手を、AI時代の新しい棚に対してもう一度やっています。
日本側の空白はここです。郵便番号からの住所補完、全角と半角の揺れを吸収するフォーム、和暦と西暦の併記、日本の管理画面で当たり前の承認フローと権限の階層。こういう部品を、AI向けの棚に置いている人が誰もいません。
registry(レジストリ) = 部品を登録しておく置き場。いまはAIのコーディング道具が、ここに部品を取りに来ます。
TOPIC 4
登録画面を「はじめる」から「保存する」に書き換えます
数字の確度は低いままですが、設計思想は学ぶ価値があります。実装は半日から1日。難しいのは「登録前に価値を全部渡す」という決断のほうです。
手順は5つです。①ログイン前に処理を1回走らせる ②結果をぼかさず出し切る ③その直下に「この結果を保存する」と置く ④「カード不要」をボタンの隣に添える ⑤入力を1タップにする。
TOPIC 5
その前に、測っている数字が嘘かどうかを確かめます
計測の衛生を整える前に施策を打つと、改善したかどうかが永遠に分かりません。どれも今日中に終わる作業です。
最後に「効かなかった記録」を1つ。ある人は4ヶ月の全数字を公開しました。Product Hunt 1回目20票・2回目8票、広告に約$400で1日10未満の登録、Redditの1スレッドは約20,000ビュー、Indie Hackersの投稿33本は中央値10未満のビュー。そして売上は4ヶ月で$0です。
いちばん示唆的だったのは、失敗ローンチの投稿が500ビューだったのに、プロダクトの投稿は8ビュー(約60分の1)だったこと。そして2万ビューのRedditスレッドから追跡できた登録は「ほぼゼロ」だったことです。別の人は「11月9日までに有料会員10人未満なら制作停止」と撤退基準を日付と人数で先に公開していました。国内ではほとんど見かけない作法です。