⚡ LAGLESS PORTAL📈 今日のグロース研究2026-09-17 (木)バックナンバー
📈 今日のグロース研究

登録率3倍・獲得コスト80%減。30分0円で置いた「AIからの入口」が、本体を追い抜いていた

きょうの結論

今日の3つは、新しい集客先を見つけた話ではない。すでに持っていたものを測り直したら、序列が入れ替わっていたという話。同じ「AI向けに何かを置く」でも、片方は3倍、片方は97%読まれていない。

TOPIC 1

片手間で作った部分が、本体より強かった

同じ製品の、2つの入口を90日ぶん測り直した 本体のダッシュボード 作り込んだ画面・料金ページ 無料トライアルつき 登録率 ×1(基準) ログインすることを思い出す必要がある 片手間で足したMCPサーバー 作業30分・費用0ドル データを読める形で出しただけ 登録率 ×3/獲得コスト −80% 毎日使う道具の中で出会うので、習慣に入る 競合はどれも予算も導入実績も上。「うちのUIのほうがきれい」で戦うのは泥沼だった。 本人の言葉は「ダッシュボードを先に作ったのが間違いだった」 数字は創業者の自社集計・直近90日。第三者の検証はない。
マーケ分析SaaSの1ClickReport。ローンチ5か月目に、余暇のような気持ちで足した部分だった。
3倍登録に至る率(本体比)
80%減1件あたりの獲得コスト
30分掲載までの作業時間・費用0円
MCPサーバー = ClaudeやChatGPTのようなAIから、自社のデータを直接読めるようにする窓口。AI向けのコンセントだと思えばよい。
TOPIC 2

3倍の正体は魔法ではなく「もう絞られている人」

掲載した場所は、たったこれだけ 公式ディレクトリ Smithery Glama GitHubの一覧 「best 〜」の検索 来る人は、仕組みを知っていて用途も決まっている 新しい客層を開拓したのではなく、絞られた人がいる場所に自分を置いた 泥臭い勘所がここ。ツールの名前と説明文が、そのまま検索面のコピーになる。 関数に名前をつける作業が、見出しを書く作業と同じになった
1回の実装が、Claude・ChatGPT・Cursor…と対応先が増えるたびに効いてくる「標準規格の複利」もある。

ただし本人は代償も隠していません。狙える市場はまだ小さく、投資家に説明しづらく、課金の型(人数か、回数か、接続先か)も定まっていません。消費者向け、見た目そのものが価値の製品、医療・金融・行政向けなら、この順番は今はやめたほうがいい、とも明記しています。

TOPIC 3

同じ日に、まったく逆の実測が出ている

どちらも「AI向けに何かを置く」という同じ行為 AIから使える窓口を置く 登録率 3倍 AIが実際に呼び出して、仕事に使う 1社の自社集計・90日 AI向けの案内ファイルを置く 97%が未読 13万7千サイトを1か月ぶん調べた結果 読んだ3%も大半は開発用の道具 30万ドメインの別調査でも、置いたかどうかと引用のされ方に関係は見つからなかった。 検索エンジン側も「順位には使わない」と明言している。 どのAI面に、誰が何をしに来るのかを分けないと、丸ごと空振りする
「無駄」ではなく「間違った問いで評価されている」。説明書の製品を持っているなら置く理由はある。

期待値ではなく、自分の数字で序列を決める段階に入りました。AIに言及してもらえることを期待して置いたのなら、いま現在その裏には何もありません。浮いた時間は、説明書そのものの構造を整えるほうに回すのが正解です。

TOPIC 4

18か月放置したページに届いた、1通のメール

休暇管理SaaSが、最初にやった需要の測り方 ページを1枚置く 粗い試作だけ 18か月 宣伝せず、放置する これが実験の本体 1通のメール 創業者を調べて連絡してきた 待つあいだに集まった人 約60人 → 最初の招待で登録した人 約20人(33%) 宣伝で集めた名簿では、まず出ない打率。手間をかけて来た度合いが、そのまま需要の強さ。 最初の製品は徹底的に小さい。チャットツール1つ、申請と承認と不在通知だけ。 そこから8年。いまは年商3億円超、外部資本なし 数字は創業者がインタビューで公開した値。
最初の20人には「6か月無料、そのかわり月1回30分話す」を明示して交換した。要望がそのまま開発順になった。

もうひとつ真似できるのが設計と実行を切り離して、設計にだけ高い金を払うという配分です。著名な経験者に最初の2年ぶんの計画だけを作らせ、実行は若手に任せました。全部外注か全部自分か、の二択で考えている人が多いので、ここは空いています。

TOPIC 5

45万人に投げて、たった1行にだけ質問が集まった

45万人のコミュニティに、ふつうの自己紹介を投稿した 本文の大半=機能の羅列 自動化・CRM・サイト作成・店舗作成 「10個のツールが1箇所に」 質問ゼロ 余談で書いた1段落 「話しかけるだけで、設定画面を 一度も触らずに動くものができる」 1日でコメント21件、ほぼ全部ここへ しかも質問の中身は「良いアイデアか」ではなかった。 あいまいな頼み方をしたらどう動くのか/人に引き継ぐ導線はどこか/業種が変わっても安定するのか 全部「壊れたときの話」だった 20年ぶん移行案件をやってきた人のコメントがこれを裏づけている。 「機能が契約を決めたことは一度もない。決めたのは午前2時に壊れたとき誰が電話を取るのかだった」
機能リストは読者に価値を想像させる。具体的なシーン1個は、その想像を代わりにやってくれる。

日本でより空いているのは失敗したときの話を先に開示するやり方です。国内のAIツールの訴求は「できること」の列挙に寄りきっています。日本の法人購買は稟議で必ず「障害時の対応」を問われるのだから、最初にそれを書いたほうが話が速いはずです。

TOPIC 6

日本の空白は「国産の業務データにAIの口をつける」

AI向けの窓口は、どこが埋まっていてどこが空いているか 海外の定番データ 広告・解析・決済まわり すでに飽和しつつある 日本の業務データ 会計・人事・業務基盤・LINE公式・国内モール ほぼ手つかず 今日できる手順は4つだけ ① 読み取り3本 書き込みは入れない ② 名前を意図で書く 「今月の売上を確認する」 ③ 説明書を公開 例文が検索で当たる ④ 4か所に載せる ここまでで30分 最後に必ず、AI経由の流入を別のチャネルとして分けて数える。分けないと3倍かどうかが分からない
すでにAPIを持っているB2B SaaSなら、既存のデータ層を出すだけで最小構成が組める。

3つの事例に共通していたのは、新しい集客先の発見ではありませんでした。1社目は自社の集計を見返して、2社目は8年ぶんを振り返って、3社目はコメントを数えて、持っているものの序列を測り直しています。今日いちばん地味で、たぶんいちばん効く仕事です。

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