💡 今日の事業アイデア
利益率97%・年成長576%。ひとりで450社に売った「SNS投稿API」の堀は、言語ではなく制度だった
きょうの結論
日本のSNSツールは「人が画面を触る運用ツール」と「月20〜80万円の運用代行」の二極。その下に敷くはずの配管(開発者向けAPI)が、まるごと空いている。
TOPIC 1
売上の97%が、そのまま残っている
売却理由は「2つ立ち上げたら両方うまくいったので片方に集中したい」。傾いたから売る案件ではない。
97%直近1年の利益率(公開値)
576%年間成長率(公開値)
450社超10か月で集めた顧客数
米国のM&Aマーケットプレイスに出ていた、スウェーデンの個人開発者がひとりで運営するSaaSです。資金調達なし、希望売却価格は29.5万ドル(利益の5.2倍)。為替は1ドル156円で換算しています。
TTM = 直近12か月の実績。「この1年でいくら売れたか」を表す数字。
TOPIC 2
やっていることは「1回送れば12か所に出る」だけ
新しい概念は何ひとつ発明していない。誰もやりたくない労働を、外から買える形にしただけ。
SNS投稿の実装を一度でもやった人なら、この価値がすぐ分かるはずです。各社のAPIは認証方式も、画像の送り方も、制限の数え方も、審査の厳しさも、全部ばらばらです。しかも仕様は変わり続けます。
TOPIC 3
詰まる場所が「書く」から「出す」へ移った
ゴールドラッシュでツルハシを売る側のポジション。上に乗るアプリが増えるほど効いてくる。
年成長576%という数字の正体はここにあります。上に乗るアプリが1つ増えるたびに、下の配管の顧客が1社増えるという構造です。
TOPIC 4
日本は二極。その下の階が空いている
納品後も仕様変更のたびに無償対応を迫られる。受託にとって典型的な赤字地雷案件。
最初に狙うべきは受託開発会社だと考えます。「200万円かけて自社で作って一生保守するか、月4万円で外に出すか」という比較になるので、価格の説得がほとんど要りません。
TOPIC 5
海外大手が日本で埋められない穴が3つある
「日本語UIにすれば使える」種類のサービスではない。ここが今回いちばんの発見。
インボイス制度 = 取引先が消費税の控除を受けるのに必要な登録番号つきの請求書のしくみ。番号のない相手からは買いにくくなる。
TOPIC 6
客数は4分の1、単価は6倍で設計する
月9,800円/39,800円/148,000円の3段。比較対象は競合ではなく「自前実装のコスト」。
英語圏は個人開発者の母数が桁違いなので「安く・大量に」が成立しますが、日本は個人の課金文化が薄く、法人が工数削減の名目で月数万円を出すほうが通りやすい。だから最初から法人向け・高単価・少数で設計します。
いちばんのリスクは技術ではなく審査です。Metaのアプリレビュー、TikTokの投稿API申請、Xの開発者審査は承認まで数週間かかります。だから今日からできる一歩は、コードを書く前に、開発者申請だけ先に出しておくこと。無料ですし、要件を詰めている3週間のあいだに並行で進みます。この待ち時間こそが、あとから来る人への参入障壁になります。