💡 今日の事業アイデア
利益率79.7%・2人で週2〜3時間。「みんなから動画を集める」が月額ソフトになっています
きょうの結論
「大勢から動画を1本ずつ集めて、まとめて渡す」だけのソフトが、海外で利益率79.7%で回っています。日本では同じ作業が、いまもGoogleフォームと有志の深夜作業です。ここが空いています。
TOPIC 1
年に1,860万円。でも「毎月かならず入るお金」は136万円でした
1年の売上 $124,000(約1,860万円)の中身
毎月の会費 74%
$91,500
単発の請求 26%
$32,500
この部分だけが毎月くりかえす
毎月かならず入るお金(MRR)
$9,062 = 約136万円 / 月
見出しの $124,000 を収益力と読むと、1.4倍に見積もってしまいます
売上の4分の1は単発。追うべき数字は月136万円のほうです。
79.7% 直近1年の利益率
136万円 毎月くりかえす売上(MRR)
10%超 毎月やめていく客の割合
海外の事業売買サイト Acquire.com に出ていた「ファンから動画を集めるSaaS」の数字です。創業は2025年4月、運営は2人だけ、作業は2人あわせて週2〜3時間。希望売却価格は $449,000(利益の4.5倍)でした。
リスティングには「年成長率579%」とも書いてありましたが、売り手自身が「最初のローンチ月と比べただけ」と注記しています。信じられるのは「1か月でARRが11.7%伸びた」という事実だけです。
SaaS(サース) = 買い切りではなく、月ごとにお金を払って使うソフトのこと。MRR = 毎月くりかえし入ってくる売上。ARR はそれを12倍した1年分。
TOPIC 2
新しい技術はゼロ。「集める係」を取り替えただけです
同じしくみ
リンク1本で
動画を集める
売る相手を
替えただけ
これまで:会社のマーケ部門
「お客様の声」を動画で集める道具
このSaaS:アーティストの運営チーム
ファンの応援動画を集める道具
道具は同じ。顧客だけ替えて、月136万円と利益率79.7%が立ちました。
移植すべきなのは動画処理の技術ではなく、「集める作業の持ち主を取り替える」立ち位置そのものです。
売り手が自分で挙げた競合は VideoAsk と Vocal Video。どちらも会社向けの「お客様の声を動画で集める」道具です。つまりこのサービスは、同じ仕組みをアーティストの運営チームに向け直しただけでした。
使っている道具も Bubble(ノーコード)と AWS と Stripe の3つだけです。
TOPIC 3
日本の「応援動画の収集」は、いまもGoogleフォームが標準です
国内にあるもの(方向が逆)
有名人
動画メッセージを売る(1本 数千円〜)
ファン
Cameo・Fanglee・fansa・Gifter・VOM など
空いているもの(この案の立ち位置)
ファン 300人
応援動画を集めて贈る(いまは手作業)
主役・運営
集める側の製品が見つからず、Googleフォーム+ドライブ+有志の編集が標準になっています
国内の寄せ書き動画サービスはあっても、事務所が使う承認権限や同意の記録は対象外でした。
生誕祭、周年記念、卒業式、会社の周年。日本では「大勢から動画を集める」場面が米国よりずっと日常的です。それでも推し活の企画ノウハウ記事がすすめる手順は、2026年になってもまだ「Googleフォームで募集してドライブに集める」でした。
さらに日本には、米国にない顧客層があります。VTuber・声優・ライバーの事務所です。1事務所に10〜100名が所属し、各タレントに誕生日と周年があるので、1社で年に20〜200企画 が発生します。回しているのは運営2〜5名です。
ステルスマーケティング規制(2023年10月施行)以降、法人は「同意を取った証拠」を求めるようになりました。Googleフォームでは作れず、元のサービスにも無い機能です。日本版だけが持てる差分になります。
TOPIC 4
作るのは4ステップ。売るのは「動画処理」ではなく1画面です
STEP 1
企画を立てる
締切・本数・尺
2分
リンクを配る
STEP 2
撮って送る
登録なし・同意つき
1分
既定で非公開
STEP 3
仕分ける
承認・保留・却下
1本3秒
STEP 4
納品
5分
渡すもの
連番ZIP / つないだMP4 / 編集ソフト用のXML・EDL
+ 同意台帳PDF(表示名・同意範囲・同意時刻・動画ID)
価値は動画処理ではなく、「誰から何本来て、どれが承認済みで、締切まで何本足りないか」が1画面になることです。
勝ち筋は編集機能の充実ではありません。投稿者の離脱率 です。ファンは専用アプリを入れないので、LINEで届いたリンクを押して、その場で撮って送れる必要があります。投稿完了率を売る製品だと定義します。
だから日本向けに足すのは6つ。LINEで完結する募集と催促、二次利用の同意台帳PDF、既定非公開+目視承認+音楽検出、編集ソフト向け書き出し、匿名投稿、請求書払いです。逆に自動編集・ネイティブアプリ・配信機能は作りません。MVPは3〜4週間に収まります。
同意台帳 = 「誰が、どの使い方に、いつ同意したか」を一覧にした記録表。法人に提出する証拠になります。
TOPIC 5
料金は3段。1年で元のサービスに並ぶ線を引きました
プラン
月額
契約の割合
平均単価への寄与
スタート
¥4,980
55%
¥2,739
スタンダード
¥14,800
35%
¥5,180
プロ(法人)
¥49,800
10%
¥4,980
1契約あたりの平均単価
¥12,900
件数は10%でも、平均単価への寄与は39%。入口は個人企画、収益は法人という二層構造です。
12か月後の目標:110契約 ×¥12,900 = 月 ¥1,419,000
元のサービスの月136万円を、1年で上回る線です
スタートは「ファン有志が割り勘で出せる額」、プロは周年記念動画の制作費から収集工程だけを切り出した額として置いています。
12か月時点の原価は月37.7万円と見ています。内訳は動画の保存と配信9.6万円、変換4.8万円、LINE API 3.4万円、Stripe手数料5.1万円、目視承認の外注10.8万円などで、利益率は73.4% 。元のサービスの79.7%より6ポイント低く置いたのは、目視承認の外注費を最初から原価に入れたからです。
TOPIC 6
弱点は「企画が終わると解約される」こと。重心を法人に移します
いまの構造(単発)
企画が立つ
1回使う
終わると用済み
解約
月10%超 = 1年で約7割が入れ替わる
重心を移す
置きなおす先(法人)
事務所に30名が所属
誕生日と周年で年20〜200企画
企画数ではなくタレント数で年額課金
例:所属30名で年60万円
横展開の順番も固定します:推し活 → 企業の周年 → スポーツ → 学校。
データ構造は同じまま、募集ページの文言と同意範囲のひな形だけを差し替えます。
単発性は機能では消えません。課金の単位を「企画」から「タレント数」に変えることで構造的に消します。
最初の2週間はコードを書きません。Xで応援動画を募集している企画主20名と、事務所5社に「前回の企画で一番時間を食った工程はどこでしたか」と聞き、3企画+企業1社を手作業で代行して5,000〜30,000円を受け取ります。
ゲートも決めてあります。企画主3名のうち2名が「月4,980円なら払う」と言い、事務所5社のうち1社が「月49,800円の検討に乗る」と言わなければ着手しません。そして運用に入ったあと、月の解約率が15%を超えたら新規獲得を止めます 。穴の空いたバケツに水を注がないためです。
この製品に技術的な堀はありません。堀は「一度業務に組み込まれたら乗り換えにくい状態」に置きます。承認フロー・操作ログ・同意台帳は、運営の業務手順そのものになるからです。