今日の事業アイデア
粗利93%、14年ほとんど解約されないソフト。日本で活かすカギは「出席率85%」でした
きょうの結論
アメリカで14年続く「辞めそうな学生を先に見つけるソフト」は、日本では大学ではなく専門学校・日本語学校・通信制高校に持っていくと強い。「出席率85%」という国のルールが、「あると便利」を「ないと困る」に変えてくれるからです。
TOPIC 1
営業していないのに、14年間ほとんど解約されない
93%粗利率
3〜5%解約率(14年間ずっと)
370万円1年間の宣伝費のすべて
解約されない理由は機能ではなく「置かれている場所」。仕事の流れの中に入り込むと、切りたくても切れなくなる。
アメリカ・インディアナ州で2012年から動いている、大学向けのソフトです。年間の売上は約2億1,000万円。営業チームはなく、創業者ひとりが問い合わせに答えているだけ。それでも14年、顧客が離れません。
解約率3〜5% = 100校のうち、1年で辞めるのは3〜5校だけ、という意味。ふつうのソフトはこの何倍も辞められます。
TOPIC 2
やっていることは、魔法ではなく「配管」でした
価値の中心は予測AIではなく、バラバラのデータを毎日つなぐ地味な配管。だからこそ、時間をかければ個人でも作れる。
成績・出欠・課題・面談という、学校がすでに持っているデータを集めて、毎朝「今日声をかけるべき生徒」だけを担任に渡す。それだけです。すごいアルゴリズムは使っていません。
TOPIC 3
日本の大学は埋まっている。でも、そのとなりが空いています
同じ商品でも、売る相手を変えるだけで混雑度は劇的に変わる。上の段は資本力の勝負、下の段は競合がほぼいない。
通信制高校の生徒数は2025年に初めて30万人を超えました。高校生のおよそ10人に1人です。専門学校は55万人以上、日本語教育機関は700校超。どこも1校あたりのIT予算は大学より一桁小さく、出欠を今も紙とExcelで管理しています。
TOPIC 4
「出席率85%」は、日本にしかない堀です
85%は目標ではなく法律側の線。割ってから直すのでは間に合わないので、割る前に知らせることに値段がつく。
アメリカ版が売っているのは「卒業率を上げましょう」という努力目標です。予算がなければ後回しにされます。ところが日本の日本語学校では、出席率85%以上の維持と、6か月ごとの入管への報告が、認定の条件そのものになっています。
努力目標と規制要件 = 「やったほうがいいこと」と「やらないと営業できないこと」。買う理由の強さがまるで違います。
しかも2029年3月31日までに、既存の日本語学校は新制度の認定を取らなければなりません。2026年春の時点で取れているのは全体の約13%だけです。
TOPIC 5
値段は「1人の退学」で説明できます
学校法人の稟議は、この一文が言えるかどうかで通りやすさが変わる。日本語学校ならもっと直接的に「認定が取れないと営業できない」。
29,800円ライト/月(生徒300名まで)
69,800円スタンダード/月(主力・1,000名まで)
148,000円プロ/月(3,000名まで)
アメリカ版が14年かけて10〜50機関でARR $1.5Mを作ったのに対し、日本版は単価を1桁下げて、校数を1桁増やす方向に振ります。24か月で90校という想定は、母集団に対して数パーセント未満のシェアです。
※ 元SaaSの財務数値と日本の統計は公開情報。日本版の料金・導入校数・利益率はすべて筆者の推定値です。