🔭 アメリカ最前線 ②
年160万人が亡くなる国に、相続のソフトウェアがない。AIで儲けた資本が「紙とFAXが残る面倒な領域」に戻ってきた
きょうの結論
今日見つけた3つは全部同じ形をしていた。日本側で制度が先に動いて新しい義務が生まれているのに、その負担を引き受ける道具だけが無い。制度が動いたあとの空白は、縦型のソフトがいちばん強く刺さる場所だ。
TOPIC 1
相続は「税金がかからない145万件」のほうが厄介だった
米国のプロベートは9〜18か月、弁護士費用は遺産額の3〜7%。圧縮できれば価値になる構造は日本も同じ。
145万件税金はかからないのに手続きが出る相続
2,500億円置き換えられる部分だけの市場規模
10万円相続登記をしないと科されうる過料
Y Combinator の Elayne は、故人がどこに資産を持っていたかを確かめる段階から、相続人への分配が終わるまでを1本のワークフローにしています。日本で近いのは情報提供と士業マッチングまでで、名寄せから書類の自動生成、分配の完了までを貫く製品は見つかりませんでした。
縦型SaaS = ひとつの業種・ひとつの手続きだけに絞ったソフト。義務が生まれたのに道具がない領域で、いちばん強く効きます。
TOPIC 2
制度が先に動いた。2024年4月から相続登記は「やらなくてもいい手続き」ではない
士業法との線引きを丁寧に設計すれば入れる。金融機関や信託銀行と組むのが最短のルート。
TOPIC 3
トラックが34%足りなくなる国に、空いている線路だけが余っている
調達額は1億ドル(約150億円)で今日いちばん大きい。創業者はSpaceXの出身。
日本は2024年4月からトラック運転者の時間外労働が年960時間に制限されました。国としてはモーダルシフトを掲げ、鉄道と内航海運の輸送量を10年で倍増させる目標がありますが、担い手が足りていません。500km以下の中距離から転換できる区間を見積もると3,000億円前後です。
TOPIC 4
704万戸のストックを前に、管理会社が受託を断り始めている
米国の Assembly HOA は、ソフト会社ではなく「管理会社そのもの」をAI前提で作ることを選んだ。
電話対応・会計処理・業者手配・理事会資料という人手の仕事を内製化して、同じ人数で受けられる戸数を増やす戦略です。日本は分譲マンションが約704万戸、国民の1割強が住んでいます。大手がデベロッパー系列で固まっているぶん、独立系の余地は事実上まったく手つかずで残っています。中小の管理組合の層だけで2,000億円前後の機会です。
TOPIC 5
いちばん「日本で誰かやってほしい」のは建築確認。売り先が2つある
日本で今まさに起きている詰まりそのものを解いている。実現可能性と切迫度のかけ算で今日いちばん。
同じ日には、ステーブルコイン決済の会社が4社固まって出ていました。日本も2023年6月の改正資金決済法で電子決済手段が制度化されたのに、法人間決済への実装事例はほとんど聞こえてきません。ここも「制度が先、道具が後」の典型です。
明日からの一歩。指定確認検査機関の事業報告から2025年度の受付件数と平均審査日数を拾い、建築着工統計を重ねてください。4号特例の縮小前後の差分の数字が、そのまま提案資料になります。