⚡ LAGLESS PORTAL💡 今日の事業アイデア2026-09-29 (火)バックナンバー
💡 今日の事業アイデア

利益率87%・月13ドルで714店。Shopifyの「選ばせた後」が日本では丸ごと空いている

きょうの結論

お客さんに名前や寸法を「入力させる」アプリはもうある。空いているのは、入力された内容を職人が読める作業指示書に変えるところ。ここは日本の税率と文字の事情が絡むので、海外の会社は作りに来ない。

TOPIC 1

売りに出ていたのは、サーバー代しかかからない「機能ひとつ」

714店のお店 40か国以上 アプリ1本 商品の選択肢を足す のこる利益 月8,459ドル 出ていくお金 月950ドル未満 毎月13ドル 在庫なし / AIの推論なし / 人を雇っていない = 売上の87%が、そのまま利益として残る 創業2023年10月。3年でARR 11万2,000ドル
入ってくるお金の大半が残る。持たないものを決めた結果。
87.4%直近1か月の利益率
714店毎月払っているお店の数
+70%1年でどれだけ増えたか

海外のM&Aサイトに、月13ドルのShopifyアプリが54万ドルで売りに出ていました。直近12か月の売上10万1,136ドル、利益8万6,342ドル。運営コストは月950ドル未満です。

目を留めた理由は利益率ではありません。この分野は、日本語圏だけを相手にしても同じ規模が作れると読めたからです。

ARR = 1年ぶんに直した売上。月13ドル × 714店 × 12か月、のようにして出した数字。
TOPIC 2

Shopifyには、どうしても表せない「選択肢」がある

Shopifyの標準機能 標準では作れないもの サイズ S / M / L 色   白 / 黒 / 紺 素材  綿 / 麻 ここで3軸ぜんぶ使い切る 組み合わせは2,048個まで置ける (2025年10月に100個から拡大) でも4軸目はもう足せない 名入れの文字 「まさこへ」 カーテンの寸法 幅1,287mm 入稿ファイル design.ai ケーキのアレルギー情報 どれも「あらかじめ並べる」が できない種類の選択肢 = アプリが要る領域は消えていない 残っている課題は「個数」ではなく「質」に移った。「100個の壁を越えられます」と売ってはいけない。
上限は増えたが、軸は3本のまま。自由入力とファイルは今も標準外。

Shopifyは2025年10月に組み合わせの上限を100個から2,048個に増やしました。一見この手のアプリは不要になりそうですが、選択肢の「軸」は3本のまま据え置きです。

サイズ・色・素材で3本を使い切ったら、4本目の「名入れ」は入れられません。そもそも自由に打ち込む文字列は、組み合わせでは表せません。

バリエーション = Tシャツの「サイズ×色」のように、あらかじめ並べておける組み合わせのこと。
TOPIC 3

カテゴリ首位の2%でも、年商1,500万円は立つ

Globo(首位) 今回の対象 日本版の目標 約32,460店 714店 200〜700店 首位はレビュー3,199件・評価4.9(第三者集計サイト storecensus の値)。勝たなくても成立する。 導入している店の数
世界一になる必要はない。日本語圏で数百店取れれば同じ規模になる。

首位のGlobo Product Optionsは推定3万2,460店。今回の714店はその2%強で、それでもARR11万2,000ドルが立っています。

日本にも競合はいます。名入れ入力欄の「シンプル名入れ」(月4.99ドル)、熨斗やeギフトの「All in gift」、日本語UIを持つGloboやEasify。空白地帯ではありません。

TOPIC 4

空いているのは「選ばせた後」の5工程

お客さんが選ぶ 名入れ・寸法・入稿 ここが空席 いまはExcelに手で転記 職人がつくる 刻印機・裁断・箱詰め 空席の中身(海外ベンダーがやる動機を持たない5つ) ① 全角8文字以内・旧字体や絵文字の可否を、入力中に弾く ② 生地・パーツ・刻印機の枠を、オプション単位で引き当てる ③ 「刻印あり=+3営業日」を積み上げて最短着日を出す ④ 食品8%と加工10%が混ざる注文を、適格請求書で分ける ⑤ 職人が読めるA4のPDFと、刻印機に流すCSV / SVG を出す ①と④は日本市場だけの事情。ベトナムや米国のベンダーには投資判断ができない。 日本の工房はいま、注文のオプション欄を毎朝コピーして作業表に貼っている。
入口ではなく、入口から工房までの一本の線を売る。

海外アプリは、この5つをどれもやっていません。というよりやる動機がありません。全角の文字数カウントや適格請求書の税率内訳は、日本市場だけの事情です。

適格請求書 = 消費税を正しく差し引くために必要な、税率ごとの内訳が書かれた請求書。インボイスとも呼ばれる。
TOPIC 5

13ドルではなく月4,980円に置ける理由

「機能を足す」を売る 「毎日の作業」を握る 比べられる相手=ほかのアプリ 相手の値段が上限になる 月13ドル(約1,900円) 比べられる相手=パートさん1時間/日 時給1,200円 × 20日 = 月24,000円 月4,980円でも決裁が要らない 指示書を出す 3層の料金(案) ライト 1,980円 / スタンダード 4,980円 / プロ 14,800円 平均単価5,550円・月次解約5%で置くと、12か月目は有料201店・MRR 111万円
売るものを「機能」から「毎朝の業務」に移すと、比較の相手が変わる。

解約率が元サービスと同じ月8%に留まっても、12か月目のMRRの差は月9.5万円ほど。この事業の成否は解約ではなく、新しく入ってくる店の数で決まります。

営業利益率87.5%の試算を支えているのは、Shopifyアプリストアの分配条件です。年間100万ドルまで手数料0%、超えた分が15%。ARR1,340万円なら手数料はかかりません。

MRR = その月に必ず入ってくる売上。月額会員の人数 × 平均単価で出す。
TOPIC 6

利益率は「持たないもの」で決まる

この3つを持つと、87%は必ず壊れる AIの推論を入れる 文字判定も税率も 規則だけで足りる ファイルを無制限に 預かる → プラン別に保存期間 設定代行を無限に 自分でやる → テンプレと外注で吸収 12か月目のコスト内訳(合計14万円 / MRR 111万円の12.5%) アプリ実行環境 25,000円 DB+ファイル保管 12,000円 CS外注 80,000円 監視・メール・フォント 8,000円 税理士(税率ロジック監修)15,000円 作る前に「何を自分で持たないか」を決めておくと、あとから利益率が崩れない。
87%は偶然ではなく、持たないものを3つ決めた結果。

MVPは3週間。重いのは審査ではなく、最初の1店舗の実運用に耐えることです。コードを書く前に、名入れやオーダーメイドで動いている国内ストア30件をリスト化し、5社に「設定と作業指示書づくりを月3万円で代行します」と提案するところから始めます。

参考までに国内のギフト市場は2025年に11兆5,650億円(前年比103.4%)、うちeギフトは2025年が6,450億円(同127.7%)。需要が減る方向には見えません。国内のShopify導入店舗数は公的な公表値が見つからず不明なので、店舗数からの積み上げはできていません。

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