💡 今日の事業アイデア
利益率83.8%・広告費ゼロ。「この虫刺され、病院に行くべき?」に答えるだけのアプリが、日本にだけ無い
きょうの結論
売っているのは虫の名前ではなく、「様子見か、受診か」という判断です。日本には足せるものが6つあるので、そのまま輸入するのではなく作り直す案件です。
TOPIC 1
Swiftだけ、ひとりだけ、広告ゼロ。それで年780万円
技術スタックは Swift のみ。個人1名、創業から1年3か月での数字です。
83.8%直近12か月の利益率(公開値)
37,500DL累計ダウンロード(公開値)
1.8倍利益に対する売却希望額
海外のM&Aマーケットプレイスに出ていた、英国の個人開発者がひとりで作った「虫刺され痕をAIで判定して、症状の経過を記録するiOSアプリ」です。2025年6月に作られ、先月の売上は約4,300ドル。有料ユーザーは500〜999人で、ひとりあたり月900円前後です。
年間成長率は0%と書かれています。ただし売り手が挙げた「成長の余地」の欄には、SNS、新機能、値上げ、コンバージョン改善、SEO、コンテンツと並んでいました。やっていないことしか書かれていないのです。
TOPIC 2
見ているのは「虫」ではなく「刺され痕」。ここが全部の分かれ目
虫の同定は目的ではなく、この問いに答えるための手段にすぎない。
売り手自身が競合欄にこう書いていました。「他の虫刺されスキャナーアプリ(あまり多くない)」。英語圏でもこの領域は薄いということです。皮膚疾患の汎用AIも昆虫図鑑アプリも山ほどあるのに、刺され痕に特化したものは少ないのです。
TOPIC 3
日本の虫は、英語圏の虫とまったく違う
知らないものは判定できない。辞書の中身が、そのまま参入障壁になる領域。
6倍都内のトコジラミ相談件数(2007年63件→2022年405件)
135人2025年のSFTS患者数。報告開始以来の最多
20人前後ハチ刺されによる年間死亡者数
「虫刺され」は夏の不快な出来事ではなく、年に何十人かが亡くなり、相談件数が15年で6倍に増えている領域です。マダニが媒介するSFTSは致死率10〜30%とされ、報告地域が西日本から北海道・関東・中部へ広がっています。それでも多くの人は、夜中にスマホで画像検索して、自分の腕と見比べて不安になっています。
SFTS = 重症熱性血小板減少症候群。マダニに咬まれて感染する病気で、熱が出て血が止まりにくくなります。刺されてから2週間以内の発熱が危険サインです。
TOPIC 4
3つが交差する場所に、国産サービスがいない
競合がいないのではなく、3つを同時に満たすものがいない、という形の空白。
TOPIC 5
面倒な規制とLINEが、そのまま堀になる
「診断しない」を設計の中心に置くと、面倒さがそのまま海外勢への壁になる。
日本版に足せるものを数えると6つありました。日本固有の虫相、規制対応、LINE導線、受診サマリー、労災文脈のB2B、公的統計と連動したアラートです。翻訳して並べるだけなら海外勢に勝てませんが、6つ足せるなら話は別です。
LINEミニアプリ = アプリをダウンロードせず、LINEの中でそのまま動く小さなサービス。友だち追加して写真を送るだけで使えるので、保護者や高齢者でも脱落しにくい。
TOPIC 6
正直に書くと、83.8%は日本では再現できない
海外の高い利益率をそのまま事業計画に書き写すと、最初に直面するのがこの差。
虫刺されは5〜9月に極端に集中するので、年額プランを主軸に置き、冬はイエダニ・トコジラミと乾燥性湿疹の見分けにテーマを切り替え、通年契約のB2B施設プランで下支えする——という設計になります。
今日からできる一歩は、開発ではありません。自分の周りの5人に「虫に刺されたとき、何を検索した?」と聞いてみる。「虫の名前」と答える人と「病院に行くべきか」と答える人の比率を数えるだけです。後者が3分の2を超えるなら、同定精度より受診目安の設計に投資すべきだという裏づけになります。
日本版の料金・ユーザー数・MRR・利益率はすべて記事側の推定値であり、実績ではありません。また、これは医学的な助言ではありません。事業化にあたっては医師法・薬機法まわりの専門家の確認が必須です。